ハーバード大学の知日派の教授が英国の新聞に、国際社会で積極的な役割を果たさないで内向きになるのは、日本だけでなく世界に取ってもマイナスと「日本のナショナリズムの高まりは衰弱の兆候」というコラムを寄せたそうだ。総選挙を前に野党第一党や元祖第三極の主張に警告した形だそうだ。大多数の国民も威勢がよ過ぎと思っているのではないか。前回の民主党の大勝も国民自身は前向きな変化を望んでいる事の現れであろう。政治が対応出来ていない。民意を問うといいながら、自分らの趣味に走って耳を傾ける気なしだったり、戦国時代の乱戦を望んでいる壮士だの、危ないグループがいっぱいだ。ミスリードしそうな輩が指導しようとやる気満々だ。それでもここにきて、まともな候補も出て来たようだ。普通に国民の力をちゃんと発揮出来るようにすれば、自ずと良い方向に向くと思うのだが。

自民党総裁の経済的発言が波紋を呼んでいる。政権党になったら日銀にお札をばんばんすらせて公共事業をがんがんやって、インフレを起こそうという事だ。子供銀行じゃあるまいし。今のお金の価値が無くなって行くのではないか、おそろしい。
大手家電メーカーは人員削減の真っ最中だ。このていたらくのもとは日本の企業の競争力が相対的に落ちたという事だ。競争に負けたという事を認めて、あらたな戦略を立てねばならない。かつての時代のように公共事業の名の下に建物を造ったり空港を作ってどうするの。そのあと。もっと時代の要請に目を向けてほしい。原発問題はまだ収束した訳ではなく、これから解体作業や避難民の医療や生活の問題を解決するべく奔走するべきなのではないの。放射能の問題はなかなか進んで行かない。そういう方へ問題意識を持ってほしい。憲法の問題とか、三代目ともなると趣味の問題に向かいがちと思うのは私だけか。ちゃんと現在解決を迫られている与党の政策と、論戦をたたかわせてほしい。
中曽根さんや小泉さんの頃、民活という言葉がよく使われたが、現在志を持って、動いている民間の人たちが動きやすいようにして、国民の力をいかすほうこうの政策をやってほしい。

きのうの党首討論で、条件付きで16日の衆議院解散を野田首相は宣言した。野党も条件をのみ来月16日の選挙となった。野党第一党は与党になるかのごとくだが、果たしてそんなにすんなりといくものなのか。今回の選挙ほど予測しがたいものも無いのではないか。新しい党派が出来たり、また党派の合体があったりで、どんな政党がエントリーするのかもわからない。また、国民の信を問うとしょっちゅう口にするが、其の信を伝える票の軽重には、ほとんど関心がない。政党といっても、利権追求団体の側面が強く、脱原発問題や在日米軍などの国民の問題意識には、ほとんどのれんに腕押しである。前回の選挙で今の与党は圧勝した。それは国民の問題意識を捉えたからだ。昨日の党首討論で小沢さんの質問は地味な印象だったが、次の選挙の要諦を射ていたのではないか。国民の問題意識を捉えるマニフェストとそれを解決するための手段、両方が必要だが、今の与党は後者に問題があった。問題意識さえないのは論外だ。