上野の都美術館でフランスの現代美術館のポンピドゥー展をみてきた。激動の世紀であった20世紀初頭からポンピドゥー・センターが出来上がる1977年まで一年一作家一作品で一曲の屏風のようにコーナーを作って展示してあり、それぞれの作家を際立たせる、今までに無い展示の仕方であった。藤田もあった。ピカソやマチスといえども一作品である。しかもそれぞれフランス国内で制作されたものである。20世紀美術の中心であったフランスならではの自信に満ちた展示だと感じた。ポンピドゥーというのは大統領の名前らしいが、我が国では木場に現代美術館があるが、あんまり利用した記憶はない。ポンピドゥのほうは、気軽に使える文化施設をコンセプトにできたらしい。
余裕の展示であったが，1,2,3階と見てゆくと、さすがにぐったりした。実際には我が国には，ポンピドゥのような施設は無い。施設も無いが自信も無い、というのが、本当の所か。江戸期以前の琳派などの展示ならありなのかもしれないが。ちかごろ戦後海外の美術運動と連動した主体美術が評価されているというが、どうも足で描いた絵が評価されているようなのが少し悲しい。