美術 !!! VIJUU.ORGに 新規登録しませんか ?
 
ログイン
ユーザ名:

パスワード:


パスワード紛失

新規登録
ミニカレンダー (piCal)
前月2024年 4月翌月
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
<今日>
重要なリンク
メインメニュー
ギャラリーVIJUU別室
ドリーム美術館
サイト情報
サイト管理者

yanagi


日本の自衛とはなんの関係もない友好国のためにする武力介入が、そもそ も非武装・非戦の日本国憲法第9条の平和主義と矛盾抵触しないのか、そもそも憲法の解釈変更という 範疇の国家行為を最高裁系統(司法)以外の機関がなしうるものなのだろうか。


九条の会呼びかけ人からのメッセージ (2013年1月)



エッセンシャル
根本的なところを確かめるために


大江健三郎



年末からこの年の初めにかけて、私のもとに届いた呼びかけのことを書きます。 まず同じ町内の小澤征爾さんの手紙がポストに直接入っていて、新首相の「原発」についてのノンキ な発言が、海外の市民や新聞論調の反応とは、まったくズレている、なぜか?というものでした。手紙 と電話で話合いをしました。年が明けると、もうインターネットで、知った、と「憲法の女性条項と平和」 についてカをつくされたベアテ・シロタ・ゴードンさんの最後の呼びかけ、自分の死をいたむ花のかわ りに「九条の会」への寄金をという声に感動された市民たちからのお金が、シロタさんのあげていられる私のところに届き始めました。私は直接「九条の会」のアドレスをお答えしましたが、なお続いてい るものは、まとめて(私の小さな花輪代もふくめ)事務局に届けます。

亡くなった井上ひさしさんの友人の憲法学者、樋口陽ーさんが言い続けていられるのは、憲法9条の 1項は、普通の国の常識、それを生かす本当に意味のある2項を大切に、ということです。私が12歳の 時からソラでいえる《前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交 戦権は、これを認めない。》
それがいま現実にこの国で実現されていない(という認識で絶望するのはまちがっています)、しかし、 むしろそれゆえに、ここに示されている、敗戦で再出発した日本人の意志を新しくし続けるのが、私らの希望のしるしです。

やはり私らの喪なった加藤周ーさんのよくいわれたことに、これだけの反戦・平和の市民の声が、ど うして選挙に直接反映しないのだろう? がありました。

「九条の会」の大切な呼びかけの同志を、私らは次つぎに亡くして来ました。かれらの名とかれらを 記憶し続ける人々の名を、生き残っている私らが思い出し続けましょう。それが具体的に「九条の会」 の市民たちの大きい集まりで、共通の声として分け持たれ、かかげられることを、私らの今年の新方針 としたい、と私は思い、その方向で働きます。

そして更に、まったく新しい市民たちの全国規模での大きい動きを、もうすでに老年の呼びかけ人の ひとりとして、なによりも祈念します。しっかり続けましょう。



総選挙の結果にかんがみてのアピール



奥平康弘



過ぐる総選挙の過程で自民党は、かつてないほどあからさまに憲法改正を選挙公約のなかに組みいれ て国民にアピールしていた。自民党はこれより先すでに1999年、衆参両院をリードして憲法調査会を設 置する国会法改正を行ない、2007年には憲法改正のための手続を定める国民投票法を制定し終っていた。 そして両院に設けられた憲法審査会も形だけのものとはいえ、活動をはじめている。 客観的にいって、「憲法改正提案、いつでもいらっしゃい。対応する準備手続は、ほとんど出来ています」といわんばかりの状況であったのだ。そういう状況を前提として今度の総選挙が実施されたのであ り、そしてそんななかでの自民党圧勝であったのだ。ぼくはふつう「危機」ということばをつとめて使 わない人間であるのだが、こんどばかりは日本国憲法の「危機」が迫っていると感ぜざるを得ない。 圧勝の選挙結果を背景に、安倍氏らは「国防軍」構想などなど勇ましく進軍ラッパを吹き鳴らしたも のの、公明党を与党として抱え持たないと国会運営はままならないという政治事情に制約されて、進軍 ラッパのほうは、ややトーン・ダウンした気配がある(「自由民主党・公明党連立政権合意」(2012.12.25) には「七、憲法 憲法審査会の審議を促進し、憲法改正に向けた国民的な議論を深める。」とだけあって、 実体を欠いたメッセージになっている)。

 いずれにせよ、安倍首相はその在任期間中のいつか、どんな形かで、憲法改正へ駒を進める挙に出る にちがいない。従来のいきさつから見て、改正のポイントが第9条に置かれるのは疑う余地がないが、 自民党結党以来の「自主憲法制定」党綱領のほうはこのさい一先ず保留しておいて、ともかくもかれらがねらう憲法全面改正という一大プロジェクトを実現するために、その一階梯として、憲法第96条第1 項第1文「この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民 に提案してその承認を経なければならない(傍点一引用者)一一この規定だけの変更をもとめるという改正を目論むことになりはしないか。すなわち「総議員の3分の2以上」の代わりに「総議員の2分の 1以上」に要件を緩和することのみを掲げる改正案である。

1955年に成立した自由民主党という名の保守合同のねらいは、「“3分の2"の崖」をこれで、こなせる(征 服できる)という計算があったからだといわれている。しかし現実は、その後、今日にいたるまでどん な選挙においても一度もこなすことができないでいるのである。
このあいだの選挙においてはじめて、維新の会を典型とする改憲ムードの小政党の面々をかき集めれ ば「“3分の2"の崖」を熟す可能性があり得る、と社会支配層は想定するにいたっている。 そうであるから、「九条の会」のわれわれは、あらゆる政治カを駆使して、来る7月の参院選挙に当た っては、「3分の2以上の崖」を熟せないようするために頑張るほかないのだ。ぼくにはそのためにどう すればいいのか示唆する能力はない。むしろ、全国各地において、各種各様にまたがって、歴史上かつて例を見ない「九条の会」を誕生させ、独特な活動を繰広げて来ている諸賢ではないか。頭を働 かせ、智慧をしぼり、身体を動かし、経験を注用して、思い思いの選挙運動を展り広げていただきたい。 かつてなかったような選挙成果をもたらしていただきたい。

これから繰り出される政治戦略のかずかずは片時も気が抜けないものばかりであるが、ぼくがみなさんに一つだけアピールしたいものを挙げるとすれば、それは、安倍首相の打ち出すはずの集団的自衛権行使の可能論(解釈による憲法改正)を断々固として拒.否しようということである。54年自衛隊法を制 定するあたりから、「自衛のために必要最小限の『実力』を持って国土を防衛することは、憲法9条に違 反しない」という解釈を内閣は採りはじめた。これが個別的自衛権論(あるいは後に専守防衛論)とし て打ち出されているものである。これ自身が非武装・非戦の平和主義を掲げた9条本来の建前に反する のではないか、9条の済し崩しではないかという議論が、ぼくの理解する「九条の会」の基本的な立場である。

当初の内こそ個別的自衛権論あるいは専守防衛論で自民党その他の政治支配層は満足していたが、80 年代後半あたりから中東方面の軍事対立が高まるとともにこの地域へのアメリカの軍事介入が当然化するなかで、日本自衛隊の、いろいろな意味での国際化(アメリカ軍事体系への組み込み)がはじまる。 この趨勢は、もはや個別的自衛権で対応し得るものではない。こうして、イラク戦争遂行過程において、 アメリカは盛んに集団的自衛権論を採るようにと日本政府へ強いプレッシャーをかけていたのである。 アメリカから見たら事態解決は簡単である。日本の内閣が統一見解として示してきた解釈を、当の内閣が変更することは、自らの権限行使の範囲内の、当然に容易に出来ることではないかというのである。 小泉首相の時、これをやろうとした。しかし、駄目だった。第一次安倍内閣も、一点突破すベく有識者会議を立ち上げてこの問題を検討させた。物々しい報告書が出てきた。集団的自衛権行使が必要なばあいを例示した。けれども、日本の自衛とはなんの関係もない友好国のためにする武力介入が、そもそ も非武装・非戦の日本国憲法第9条の平和主義と矛盾抵触しないのか、そもそも憲法の解釈変更という 範疇の国家行為を最高裁系統(司法)以外の機関がなしうるものなのだろうか。ぼくは、安倍首相がこ の方面でやろうとしているのは、単なる解釈の変更ではなくて、石原慎太郎前東京都知事が愛用した憲法破棄というレッテルが一番適切だと思う。安倍首相に絶対やらせてはならないことの最たるものである。



希望はどこに?



澤地久枝



これまで、「九条の会」を結び目にして、さまざまな土地へゆき、多くの人に会った。そしていま、衆議院選挙の自民党「圧勝」の結果にがっかりしたと肩を落とす人たちに出会う。この局面で、全国の「九条の会」へのメッセージをもとめられ、一夜、『岩波基本六法』を読み返した。

衆議院選挙の結果、自民党は3分の2以上の議席を占めた。これから来る参議院選挙は、憲法の前途、 日本の未来にとって、重要な意味をもつ。結果を決めるのは最終的にわれわれであることを確認したい。 いまや憲法9条の最大の危機である。3年余り前に政権交代が実現したように、財界よりで軍事優先の政治を阻むため、わたしたちは知恵をつくすべきだ。憲法擁護、反原発で一致する候補者との協力を考えたい。かつてコンゴのルムンパ首相が窮境に直面し、悪魔のカでも借りたいと言ったのを思い出す。 安倍内閣の動静から感じられるのは、有権者の意向がどう揺れるか、形勢をみているということ。反原発の動きに対して、核エネルギー否認は間違えという論調が目立つようになった。安倍首相は財界と 批評家のきわだつ声に、安堵しているかもしれない。経済産業省正面のハンスト小屋はいまもあり、つめている人たちがいる。そして政治は、世論の動きをはかっている。

『基本六法』に収録されている「われら一生のうちに二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争 の惨害から将来の世代を救い」の冒頭をもつ国連憲章(1945年6月)の思想は、直線的に日本国憲法前文につながっている。この憲章で「敵国」と指定されたのは日本とドイツである。 第9条は手つけずに生きたまま、自衛隊は明日にも武力行使に出そうな形勢でますます増強されようとしている。中国の国境「侵犯」は毎日のニュースだ。だが、1972年の日中両国政府の共同声明には、 「過去において日本国が戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する」とある。
村山談話、河野談話の否定を声高にいう前に、日中関係の戦後の原点にかえってみればいい。それが 歴史を知るということではないか。

この国の政治は狂っている、だから投票にはゆかないと言うなかれ。その気持はわかるが、4割近くの人が棄権し、憲法史上最低の投票率になったことをわたしは恥じる。全国に9条を守ろうという市民 のつながりが生れ、それは反原発の流れにかさなった。選挙結果にふりまわされず、新しい市民社会に 希望をつないでゆきたい。



九条の会の働きどき



鶴見俊輔



今度の選挙結果を見ると、九条の会の働きは、これまで以上に大切になると思います。

現在、私にできることは少ないかもしれません。しかし、まだ私たちの内に(そして私たちの未来に)希望が残っているとするならば、私はそれにひとつの石を置こうと思います。



印刷用ページ

九条の会呼びかけ人からのメッセージ (...
執筆者: ゲスト (())
発行日: Wed, 17-Apr-2013
閲覧数: 1005 回
サイズ: 9.17 KB

投稿された内容の著作権はコメントの投稿者に帰属します。
Google Serach
Google

WWW 検索 サイト内検索
オンライン状況
9 人のユーザが現在オンラインです。 (1 人のユーザが 和(なご)みーな を参照しています。)

登録ユーザ: 0
ゲスト: 9

もっと...
Copyright; 2007美術のコミュニティサイトVIJUU.ORG