このところようやく梅雨らしくなって曇り空が続く。前回話の流れでカチカチ山というおとぎ話に触れたが、詳しく筋を知っている訳ではなかったので調べてみたら、予想以上に残虐な話であった。べつに童話とかおとぎ話に残酷な話は珍しくないが。おじいさんに捕まった狸はおばあさんをたぶらかして、狸汁になるはずだったのをお婆汁にしてしまい、おじいさんに食べさせる。その後おじいさんの命を受けてウサギが狸に茅を背負わせ背中でカチカチと火打石で火をつける。狸にその音を問われ、カチカチ山にすむ鳥の声だとごまかし、ぼーぼー音を立て始めると、ぼーぼーという鳥の声だとだます。まだ続く訳だが、最後は泥舟に乗せられて、沈没する。だまし方と、その結果のイメージが鮮やかなお話だ。現実は此処まで鮮やかには行かないが、似たような図式がないとは言えないだろう。