新緑の戸定邸はどうだろうと自転車で常磐線を越えていってみると、休日ということと皆さん考えは同じようでたくさんの人出だった。藤の鉢が飾ってあり桐の花やマロニエのピンクの花が咲いていた。いつもは茶室で貸し切りの建物で徳川慶喜候がのんだコーヒーを復元してのませてくれるという。中へ入ると入り口で袴姿の男性から下足板を受け取り、案内されて座布団を敷くと床の間には帯などをさりげなく広げてあり、お庭には、黒松が枝を伸ばしエビネが花をつけ万年青が植わっているのだった。庭の端には手水の水が流れ、運ばれて来た菓子とコーヒーの器には戸定邸のネームが入っているのだった。濃く明るいブルーの器はセーブルかと驚いたが500円でセーブルが出てくるとも思えないので飲み終わってからひっくり返してうらを見たら、それでも香蘭社のものだった。コーヒーの味以上にそのたたずまいに感じ入ってずっと正座を通した。多分マンデリンだと思いますが。