ヨシキリ亭in 江戸川 日々に感じた事を写真画像付きで。 | ||
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2016年7月26日(火曜日) | ||
侘び寂びとはなにか | 11:03 yanagi | |
六本木の泉屋博古館へ「バロン住友の美的生活」という展覧会を見に行った。住友財閥のお宝を見せてくれる。ここのお宝は明治の頃収集された美術家の作品をそのままみれる所が、他の展覧会と一線を画する所である。当時収集された文展の作家の作品やお茶会で披露されたお宝を再現展示してみせてくれる。竜泉窯の青磁もあれば,井戸茶碗などの茶道具が展示されていた。 当時名品とされた井戸茶碗は、欠けてはいないものの、くらっぽい色調にひびがはいり、上薬が所々はげている。表面は荒い土の表情がそのままのこっている。ほかにも濃いグリーンが印象的な織部の皿セットもあった。が、その塗りはまだらぽかった。丸釜の鉄の表面には虫食いみたいな穴がいくつもあいている。わざと開けたものである。これらの品はいずれも還暦記念の茶会に選ばれた名品である。これらの展示を見て、現代の感性との違いを感じざるをえなかった。これが当時の伝統美の感性の一端を示すものであった。と同時に真っ白な硬質の磁器に金彩を施したオールドノリタケも反対側の展示室に展示されている。住友の家紋入りである。こちらはそのまま現代の美の感性につながっているのだろう。 現代でも「わびさび」などと使ってはいるが、その実際を見た気がした。ひびが入ったり、穴があいたりと、面白いが取り扱い危険なものでもあるのだ。こういうものに桃山の茶人たちは美を感じたのだろう。ひいては武将たちも。 | ||
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